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決算書上は、総資産10億円、負債9億円、純資産1億円でありましたが、貸付金3億円と未収入金1億円の合計4億円の回収できない資産があり、実質3億円の債務超過で金融機関の評価も「破綻懸念先」でした。
借入金の返済はリスケにより、高い金利4%の利息のみの返済でその当時は会社は回っていましたが、初訪問した際は、まもなく始まる1.5億円の元本返済が不可能であることを認識しており、「1年以内に倒産する」と社長は覚悟されていました。
当時のメイン銀行が個人事業主から法人成を勧め、その際に資産は法人に、借入金は個人では返済できないから、法人で代位弁済することになりました。
一方、顧問税理士は、その代位弁済を安易に役員貸付金として処理、貸付金に対する認定利息(貸付金利息)を4%とした結果、3億円の貸付金と1億円の未収入金が発生してしまいました。つまり、「銀行のミスリード」と「税理士の不実な対応」そして「中小企業継続支援者の不在」が原因だったのです。
「経営改善計画書」(債務超過解消計画)を策定して、他銀行と交渉した結果、低利融資で返済期間15年で6億円を借り入れることができ、高金利の借入金を返済した結果、年間元本返済額▲1億1千万+年間利息▲1千2百万(合計:1.3億円)の財務改善により、3年間で債務超過を解消でき、正常金利調達(1%)が可能となました。
その間に事業承継も行い、粗利益の改善戦略で新造船投資を行いました。なお、この支援先企業は日本経済新聞にも掲載されました。
一番の懸念であった貸付金と立替金の解消策として、生命保険※を活用し「役員退職金」を支給することで、債務超過の原因となっていた役員貸付金、未収入金を順次完済しています。
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